「新大阪」と聞くと、首都圏の人は、東海道(山陽)新幹線の駅というイメージしかないのではないか。一応オフィス街でもあるので、新大阪にあるオフィスに出張したり、あるいは近隣ホテルに宿泊したこともある人もいるだろう。しかしほとんどの人は降りずに在来線か地下鉄に乗り換えるので、新大阪駅界隈を歩いたことがある人は、駅の認知度に比べると極めて少ないのではないかと思う。

関西出身の私は、今は首都圏生活だが、以前もこれまでも、乗換駅としてはもちろんだし、近隣にも用事があってそれなりに土地勘がある。新大阪はただの新幹線の駅ではなく、新幹線と航空機がニアミスする場、という意味もあると思っている。

新大阪を歩いていると驚くのが、伊丹空港に着陸間際の飛行機が割とすぐ上を(あまり高くない高度で)飛んでいることだ。キョリ測で測ってみると、駅から伊丹空港の滑走路の近いほうの端まで約6km。離着陸時の航空機って新幹線くらいの速度のはずだから、この程度しか離れてなければ、相当高度が下がっている必要がある。オフィス街でもある新大阪駅周辺に梅田(大阪駅前)ほど高層ビルがないのはそれが理由で、新大阪発展を阻害する理由にもなったという(新横浜と異なり、私鉄(阪急)の直通・延伸計画はとん挫したままとなってしまった)。

で、タイトルにある「渋谷」「恵比寿」が「新大阪」に、とはまさにこのこと。昨日、渋谷に出かける用事があって、おお、これが渋谷ストリームか、東横線跡地と渋谷川もきれいに整備されたな~、やはり賃貸でいいのでこの町に住みたいなとコミック「吉祥寺だけが住みたいまちですか?」を思い返しながら、などと恵比寿まで気分よく歩いていると、

むむ?飛行機が飛んでいる。

これが噂の羽田着陸用新コースってやつか?機影があまりに大きい。高さは違うと思うので、新大阪ほどではないはずだが、見慣れないだけにびっくりしたのだ。しかも、テスト飛行じゃなかったっけ?5分に1機は来る。多い。

念のため、飛行機の高度を調べてみると、こんなサイトが見つかった。空港までの距離だけで単純に比較すると、新大阪と大井町あたりが同じ高度のようだ。(恵比寿付近は高度約610m、大井町付近は約305mとのこと)

明治通り沿いを歩けば車の喧騒もあるのでさほどでもないかと思ったが、それでも機影が大きい分、やはり騒音もある。慣れるのかもしれないが、でも、こんな風景をこの地元の住民は想定していただろうか。

私はあわてて、恵比寿ガーデンプレイスタワーに上り、少しは高い所(地上高約150m)から撮影を試みた。夕闇でぼやけているが、肉眼だと機影はより大きく感じられる。飛行ルートは微妙に左右にずれるので、東寄りを飛ぶ機体もある。まさに麻布、広尾付近をかすめて飛んでいるわけだ。

恵比寿から代官山・池尻大橋方面を望む。
右端の高層ビルが渋谷駅前の高層ビル群だろう。

城南地区の高級住宅街の資産価値下落まで噂された本件、こうした環境変化もまた持ち家のリスクなんじゃないだろうか。

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