日経朝刊1面「安住の家なき氷河期世代」の不安煽りの信憑性いかに

今日の日経新聞1面トップに、就職氷河期世代である40~50代の持ち家率が急低下していて、このまま高齢期に近づいて将来の住み家が不安視されるという記事が出ている。

就職氷河期世代はバブル崩壊後の就職難に直面し、非正規労働に従事せざるを得なかった人たちが他世代に比べて多かった。そのため青年期から中年期にかけての所得が少なく、結婚や出産のハードルも高いまま生きてきた。その結果、持ち家を持てなかった(持つ機会が訪れなかった)のだという。

そしてここ10年ほどの住宅取得費の高騰。家を持ちたいと思っても、これが追い打ちをかけている。

なお、持ち家率が急低下している、という表現だが、40~50代を構成する人たちというのは、毎年入れ替わっていくので、その経年変化の中で急低下がみられる、ということのようだ。

現在の40~50代は、就職氷河期(1993~2004年に社会に出た世代)の人がかなりの比率を占めている。30年前の40~50代を構成した人たちは、団塊世代などで、高度成長からバブルまで経験してきてるから、住宅で資産形成できたということなのだろう。比較すれば、持ち家率が落ちていることは極めて自然だ。

ただ、私自身も氷河期世代で、元持ち家だがあえて賃貸に「身を落とした」。でも、まったく悲観はしていない。

現在日本中に空き家が多数あること、高齢になると賃貸住居に住みにくくなること、かといって持ち家を買う資金がある高齢者も少ないことは、一見すると重大な社会問題に思える。しかし、不動産業界と行政が連携して、空き家を割安な賃貸物件または販売物件として流通させることができれば、問題は解決する。

どうせ、団塊世代の相続発生で、今後空き家が激増する。そのタイミングで需給のバランスが崩れ、きっと住宅が買いやすく、借りやすくなるはずだ。

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