コロナウイルスが世間を一変させて、たった1年前の令和改元の祝賀ムードや、昨秋の台風禍など、みな全く忘れてしまったかのような生活を送っている。
が、1年前に、あの台風はやってきた。今年も台風ですらない悲惨な水害が各地で起きているが、去年の武蔵小杉のあれは、「下水の逆流した冠水地で、浮き輪だかボートだかを出して水着で遊んでいたバカがいた」「3.11の停電以来のタワマン居住者の地獄」などを含めて異様な水害絵図が、日本中の記憶に残ってしまった。
で、当地の摩天楼の資産価値はその後どうなったのか、ということに迫った記事が、ついに出た。さすがわれらが榊先生である。レインズで、例の停電マンションの、この1年の取引実績を確認したようだ。1年間でたった3件。しかも、台風から10カ月経った8月にやっと初成約なのだとすると、本当に流通が止まっていたと言わざるを得ないのである。(あるいは、業者買取でもあったかどうか)
台風にあったのは不運としか言いようがない。しかも、タワマンが林立するあのエリアで、あのマンションだけが甚大な被害を受けた。なんとも…。
そういうリスクを、持ち家は持っている。
そもそも、都心のタワマン群だって、コロナで都心の職住接近物件の魅力が減じてきたとして、資産価値が維持できるかどうかは、本当に分からない。持ち家のリスク、というものを、本当に考えるべきじゃないか、と思う。