東京特別区から漏れる足立区の話

不動産業界には、東京18区という言葉があります。

東京23区の中で、埼玉・千葉と都県境を接する区のうち練馬区を除く、板橋・北・足立・葛飾・江戸川の5区は、不動産物件の価値という意味で、他の18区とは別扱いになるという指摘がなされています。それは、下記の瀧島さんの著書でも明らかです(リンクから楽天ブックスに飛びます。アフィリエイトです)。

それら5区の中でも足立区は、他の22区民から、あそこは東京ではないという目で見られたり、何かと低い位置に置かれてきました(その根拠は、川崎とか尼崎とかと似た、ガラが悪いとかいった漠然としたイメージなんですよね)。

2011年の東日本大震災後の東京電力の計画停電では、東京23区の中で足立区と荒川区の一部だけが計画停電の対象となり、「足立区は…」と言われたりもしました。

そんな「わけあり」の足立区が、一癖あるイメージを逆手に取った広告を東京メトロ日比谷線に乗せていました。

北千住は足立区最大の交通結節点であり商業拠点ですからね。大学も移転してきてます。

ただ、ねぇ。

広大な面積を持つ足立区全体で見れば、北千住は端っこです。舎人ライナーができても、まだまだ交通不便地域は多いと思うんですよ。区内での地域による格差は大きいと思うなぁ…。

例えば、足立区の北東部、交通不便地区と考えられる花畑・南花畑地区の中古マンション相場を見るとこんな感じです。築古、駅遠だと、ファミリー向け75平米以上でもこんな値段で手に入る?ように見えますがこれは足立区スタンダードなのかもです。

最寄駅徒歩壁芯面積建築年月中古価格(坪単価)
つくばエクスプレス「六町」歩25分83.59平米1991年3月2,980万円(117.6万円)
東武伊勢崎線「竹ノ塚」歩25分75.03平米1991年3月2,680万円(117.9万円)
東武伊勢崎線「谷塚」歩23分85.1平米1982年10月2,380万円(92.3万円)
東武伊勢崎線「谷塚」歩23分79.1平米1982年10月1,580万円(65.9万円)
2024.10.26時点のSUUMOの広告をもとに大原作成

ちなみに、18区に入っている練馬区の外延部の駅遠物件はこんな感じ。微妙にスペックに違いはあれど、築年で比べた坪単価では、練馬区ブランドは生きてる感じですね。

最寄駅徒歩壁芯面積建築年月
西武池袋線「大泉学園」バス14分停歩2分89.48平米1974年11月4,890万円(180.3万円)
西武池袋線「大泉学園」徒歩12分78.72平米1991年10月3,780万円(158.5万円)
西武池袋線「大泉学園」バス18分停歩7分80.7平米1991年1月3,690万円(150.9万円)
西武池袋線「大泉学園」徒歩14分74.27平米1983年7月2,998万円(133.2万円)
2024.10.26時点のSUUMOの広告をもとに大原作成

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