不動産市況や都市・住宅政策についての鋭い分析で知られるオラガ総研の牧野知弘氏が鋭い寄稿をしている。
要点は、①オリンピックが延期されたとはいえ本当に1年後で済むのか微妙でHARUMI FLAGの分譲は大丈夫か。②晴海に限らず国内タワマンは外国人投資家や日本人パワーカップルも買っており、経済変動を受け売却が続出すると値崩れの恐れがある。③そもそもタワマンは3密の最たるもので、住居としての評判・価値が大きく落ちるかもしれない。④テレワークが浸透すると都心へのアクセスに関する評価も見直されるかもしれない。
といったあたり。どれも的を射ていてうなずくばかり。まあ、地震のことも含め、日本人は「のど元過ぎれば熱さ忘れる」人たちだからな…。私はもともと、コンクリートと鉄筋の塊(と、ちっちゃな土地)が8000万円もするのはおかしい、って考える人だったから当たり前に思うんだけど。
一方で、リアルにマンション住民の中でコロナ陽性者が出た出ないで起きる混乱を活写してくれたのが我らがやまもといちろう隊長のブログ記事。いやほんとに、無知というものは恐ろしい。
私個人も、かつて住んでいたマンションで理事長をやっていた関係で、住民にコロナ患者が出たときの管理組合への報告はどうなるのか、と知り合いから相談を受けたことがあるが、下手をすると住民が陽性になってしまうと事故物件を作り出し、そこに住み続けられなくなるかもと思うとぞっとする。もちろん陽性者差別や偏見はいけないのだけれど、マーケットや人心を縛ることは難しい。いや、それならばもう「集団免疫」のほうがいいのでは、という議論になりかねないな。